シャナイセはSIerから社内SEに転職しました

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【元SIer勤務】社内SEって実際どうなのか【転職前との比較】

 

こんにちは、ゆるふわ社内SEのシャナイセです。

 

この記事にたどり着いた方は、きっと、社内SEについて興味をお持ちの人かと思います。

 

なんとなく、今のブラックITからは脱したいものの、社内SEになったら給料安いって噂だし、ユーザーからはコスト部門って見下されるって噂だし、実際どうなの。

 

わかります。社内SEって良く分からないですよね。

 

実際、システム開発・保守運用のどの範囲を内製、または外注しているかで、会社ごとに社内SEの業務内容が大きく異なる為、明確に社内SEの役割を定義することが難しいんだと思います。

 

要は、ベンダーもユーザーもやらない範囲の役割が、その会社での社内SEの役割になるのかと私は思います。

 

ですから、ホワイトな環境になるか、ブラックな環境のままなのかは、

そのあたりの範囲がどこに設定されているのかを見極める能力にかかっています。

 

ちなみに、私はシステム開発、保守運用を完全に外注している企業に勤務しています。

もともとは独立系SIerで働いていたのですが、転職して約5年です。

 

ですので、あくまで私の立場から、社内SEになって良かったこと、悪かったことについて書きました。

 

一言で結論をまとめますと、長時間労働がなくなるので、そこは良かったが、世界は狭くなりがち、という感じでしょうか。

 

SIerに勤務している当時の自分に向けて、アドバイスをするつもりで書いています。

 

 

社内SEになって良かったこと

 

残業はなくなりました

もともとは、月40時間で帰れていれば、御の字だった状態から、

今は10時間も残業をしていない状態になっています。

 

SIerにいた頃は定時で帰ると、「あいつにはもっと仕事を振れる」というような謎の圧力が掛かりました。

 

で、自分のプロジェクトを立て直して余裕が出てきたら、今度は別のプロジェクトの支援にかり出され…、と、結局、早く帰れる時なんて永遠にこないんですよね。

 

社内SEになってからは、逆に「残業をするな」という圧が掛かります。

健康を心配しているわけではなく、効率化という名目のもと、残業時間を削減することによって、上司の評価が上がるからですね。

 

とはいえ、子供と過ごす時間や、仕事終わりに習い事に通える時間ができたのは、良かったと思います。

毎日終電で、子供の顔すら、ろくに見れずに死ぬ一生なんて、私には面白くなかったですからね。

 

長期休暇がとれるようになりました

 

夏季休暇や、年末年始は9連休とか、ざらにとれています。

SIerにいた頃は、8月14~16日までのお盆に土日が繋がる程度で、しかも数日は休日出社でつぶれていました。

 

私はあまり旅行とかには行かず、家族で近場で遊んだり、実家に帰って過ごすタイプですが、旅行好きな先輩は、あちこち行っていますね。

人それぞれですが、リフレッシュするには、まとまった休みは必要だと思います。

 

給料は下がりませんでした

 

MAX残業していた状態の前職での年収を提示して転職したせいか、前職の残業代を含めた状態の年収と同程度でした。つまり、残業せずに前職と同じ年収をもらえています。また、家賃補助がついているので、実質の年収はさらに上がっています。

 

ただ、これは、選んだ会社の業界の平均年収が高めだったからだと思います。

SIerの後輩が同じように、システム開発、保守運用を完全に外注している企業に転職しましたが、年収は数百万は下がったみたいです。

 

年収が気になる人は、転職先の業界の平均年収は押さえておくと良いです。

 

社内SEになって悪かったこと

 

人間関係が狭いです

SIerは数年ごとに別プロジェクトへの異動がある為に、上司や同僚が変わります。

その為、人間関係が悪くても、別の場所に流れていくことができますよね。

逆に、社内のシステム部門は、長年メンバーが固定されています。

事業会社に就職して、わざわざ別部門からシステム部門に異動したいと思う人も少ないからだと思います。

狭い人間関係のなかで長年同じメンバーがつづくと、まるで嫁姑問題のような、「ぱっと見は上手く付き合っているようで、実はお互いにめっちゃ嫌いあっている」ような関係の人達がいたりします。

 

狭い世界でつまんないことやってるなぁ、といったガッカリ感はありました。

人間的にイイやつは前職の人達に多かったと思います。仕事が辛かったからでしょうか、理由は分かりません。人としての器が成長するんですかね。

 

あと、嫌な上司にあたってしまうと逃げる方法がないため、詰みます。

元SEが他の部署に異動したところで、並み以下の貢献になってしまうので、転職しか方法がなくなります。上司ガチャは自分では何ともできないので、これが一番の難点ですね。

 

出世したいのであれば不向き

先ほど書いた内容と被りますが、SIerでは色んなプロジェクトに異動する機会があるので、失敗してもまたチャンスが巡ってくることがあります。組む上司や、メンバーが変わることで、自分自身でも気付かなかった化け方をすることもありますよね。

 

一方、社内SEは、社内のシステム部門という少ないポジションの椅子取りゲームをすることになります。

別に出世をする必要はないとは思うのですが、嫌いな人にマウントを取られると考えると、それはそれで、内心むかつきますよね。

 

私自身は、会社以外の世界に目を向けることで、会社は会社と割り切ってお金の為に働くすべを身に着けることにしましたが、会社生活にコミットしたい人や、会社で影響力を発揮したい人には、単純にチャンスの面で社内SEは不向きです。

 

また、システム開発、保守運用を完全に外注しているタイプの日本企業では、システム部門出身では役員クラスまで上り詰めることはできず、せいぜい部長止まりが現実かな、という印象です。

 

IT技術者としての価値は下がりがち

SIerでのSEは、なんだかんだ言っても、その会社の製品やサービスを生み出す存在として、会社に見なされていたと思いますが、社内SEはやはり会社からは間接部門と見なされる現実はあります。

 

なんか良く分からないことをやってる間接部門(もしくは、俺たちの仕事を快適にするために働くべき便利屋)という程度で見なされている為、一生懸命とった資格や技術が評価されることはありません。そもそも評価する経営者側が分からないんですから。

 

また、前職では、育成と称し会社から研修を強制されていましたが、社内SEになってからは、システム開発に関連するような研修は受けていません。会社のお金で自己啓発するようなことを期待することはやめた方がいいですね。

 

気を抜くと、何十年も同じ仕事だけをしている人になってしまうので、個人で外部の勉強会や研究会に参加した方がいいです。効果があるかは分かりませんが、アンテナは張っておく必要はあると思っています。

外の繋がりがあると、気が晴れたり視野も広がりますしね。

まぁ、SIerにいても、何十年も古い技術のおもりをさせられる担当者もいるので、結局は個人の問題という側面もあるのかもしれません。

 

さいごに

 

人によって、仕事に求める価値が違いますので、今回の良かった点、悪かった点をみて、私のような環境での社内SEは、合いそう、やっぱ合わなそう、といった、皆さんの気付きのお役に立てたら嬉しいです。

 

私の書いた記事が、少しでも、システム業界で疲弊している皆さんの手助けになればと思います。

 

読んでいただきありがとうございました。

 

シャナイセ